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                 天弓~奏~

 

※少年が旅の道中で出会った1人の少女と鷹のお話

【構成】少女目線の物語

 

少女は二胡を弾きながら思い出していた

1人の少年との思い出を…

 

---------------『あの日見た空の色は 蒼く澄んだ夏の様 心のカケラ集め 高く強く羽ばたけ 願い届くまで』---------------------------

 

少女が住んでるのは山の上にある村

いつも鷹と一緒にいるボーイッシュな女の子

鷹が優雅に飛ぶのを見ながら二胡を弾くのが毎日の習慣になっていた

するとそこに現れた1人の男の子

『旅人かな?』と思いながらいつものように二胡を弾いてると

その男の子が寄ってきた

 

少年『ねぇ!それ、何て名前の楽器?』

少女『二胡って楽器よ』

少年『不思議な音色だね。あの飛んでる鷹はお友達?』

少女『そうよ。いつもこうして一緒にいるの。あなたはどうしてここに?』

少年『旅の途中に綺麗な音が聞こえたから来てみたんだ』

少女『何で旅してるの?』

少年『僕、歌が大好きで色んな音を探して旅してるんだ』

少女『ちょっと歌ってみてよ』

 

少年は、ちょっと恥ずかしそうに空に飛んでる鷹に向かって歌い始めた

『重なり合う想いと 奏でるねいろは 時を止めて繋がる やがて夢の中へ この大空漂う 無邪気な世界は 沈みゆく遠い空 次の明日を描く』

すると鷹は少年の歌声を気に入ったようで、合わせるように空を飛びまわった

 

少女『あの子があんなに楽しそうに飛ぶの初めて見た!ねぇ、弾くから歌ってよ』

少女は二胡を弾きだした

少年は音に合わせるように歌った

『あの日見た空のキオク 蒼く澄んだ夏の色 心の願い込めて 高く強く羽ばたけ 遥か永久へ叶うまで』

 

すると鷹は空に大きく円を描きながら飛んだ

 

それはまるで空に架かる虹のように…

 

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少女『あの後すぐに旅に出ちゃったけど

素敵な歌声だったなぁ…

いつかまた会えるよね…きっと…』

 

 

                                                ~終わり~

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